20th.FREE WAY DANCE FESTIBAL 第三幕

オーストリア ブレゲンツ音楽祭(ボーデン湖)より「仮面舞踏会」
野外オペラの舞台

 

いつも自分をきれいに明るく磨いておくように。
あなたは自分という窓を通して世界を見るのだから。

 

- バーナード・ショー -

ジョージ・バーナード・ショー(1856~1950)アイルランド出身の劇作家、劇評家、音楽評論家、社会主義者、ノーベル文学賞受賞。

 

14:00よりゲネプロが開始。
進行、振り、衣装、立ち位置のすべてが本番と同じである。違うのはお客さんがいるかいないかだけ。

いったん動き出した後の展開はかなり早い。時計の機械仕掛けが狂ってるんじゃないかと思うくらいだが、これは発表会に出てみないと分からない。

いつものことだが、プログラム「ナンバー.01」というのはちょっと考えただけでも緊張する。今回の先陣は「Jazz HipHop -GAN-」。メンズから二人が出るのだが、傍目には緊張している感じは見えない。流石である。

「幕が上がって、踊り出す」。客席からの、新鮮な期待と興奮を一身に受ける栄誉とともに、場を温める重要な役目もある。私の出番もそんなに遠くなかったので裾から見ていたが、実に良い感じ。上手いとか下手ではなく、場と曲に一体化しているといった具合。

フェスティバルの幕開けに相応しい。

続いて「04.はじめてのBallet」。おそらく今回の衣装ではもっとも本格的。このような衣装を身にまとうことができるのは実に羨ましい。

そうこうしているうちに出番である。「06.Basic Jazz」。6番手ともなると早い。緊張する暇もない。舞台に立てば、いつものように音楽が流れる。何の違いがあるのだろうか・・・と思うけれども、やはり舞台ということでやや硬いか。「ただ思い切り、踊る」。これが難しい。

脳内はまさにこんな感じか?

 

「感覚の偏り」というのが生じる。視野狭窄だったり、周りが見えすぎたり、ある音が聞こえすぎたり聞こえなさ過ぎたり、脚がフワついたり、動きが遅く感じたり・・・・。

それはその時になってみないとわからない。そして偏ったまま踊るしかないし、それはそれでどうとでもなるのだ。

結果として、脱ぎ落した帽子を舞台裾へはける時に回収していく算段だったのだが予想以上に見えなくて難儀したことと、やはり表情が固いこと。反省点ではあるがあまりに拘り過ぎると「豆腐メンタル(笑)」では本番にも差し支えるので、先生もやんわりと指摘する程度。先生のフォローが有難い。

 

いったん始まってしまえば次のクラスのことで頭が切り替わってしまうので、失敗に拘りたくてもこだわれない。とりあえず私は着替えもあるので控室に戻り、支度をする。同じクラスの人も同様だ。次の出番もあるし、着替え補助もやらなくてはいけない。
先生のアドバイスを受けた後は解散し、それぞれの役割を果たす。

私はつけヒゲやウィッグ等の準備もあるので、おおよそのタイミングを計りつつ、変装を開始する。あまり早くやりすぎると接着度が落ちる事と、精神的な疲れが出てくるので、意外に大事である。「最後の悪あがきwww」(練習)もしなくてはいけないから完全には変装できない。

他のクラスも見に行きたいが準備があるし、いったん変装すると疲労をさけるために動きたくなくなるのだ。出入りする人たちに今の進行状況を聞き、把握しておく。

他のクラスを見ていると、「私もしっかりやらねば」と思ったり「私だったらこうする」なんてことを考えたりもする。良くも悪くも気持ちが揺れるのであまり見ない方がイイとは自分では自覚している。なので控室から出ることは少ない。前の控室の時はモニターがあったんだけどなぁ~(悲)。

そうこうしているついに「TAPグループ」の出番が近づいてきた。私も変装を済ませ、心の準備も終わっている。メンズでぞろぞろと控室から移動し、舞台裾で出番を待つばかり。
ひとつ前の「19.TAP(adv.)」を眺めているけれど感心することひとしきり。複合で様々な技を見せる。椅子だのカップだの、小道具も多い。さすがアドバンスクラス。

「20.TAP(beg.)」はメンバーが上手下手に分かれるので出番待ちは、ちと寂しいか(笑)。

さて、この時ばかりは「私」ではなく「次元大介」の出番がやってきたわけですが・・・。

ゲネなので客席の反応が無い(苦笑)・・・・・などと生意気言ってすみませんが、そんなこと考えるくらいの余裕はあったということで。
不二子ちゃんたちも拳銃を落とさなくて良かった。
(練習中では何度かホルスターから落下したので)

タバコ咥えて、ウィッグ被って、TAPシューズを鳴らして、おまけに「次元」に成り切るという脳内メモリーを消費するのは疲れる。

先生からは立ち位置の指摘。これはちょっと意気込み過ぎて空回りしたかもしれない。位置関係が疎かになってしまったのは明らかに失敗であった。

 

これにて私の演目はすべて終わり、ちょっとした解放感を感じながら控室へ転がり込んだ。「これで一段落ついた~」と言いながら、帽子を脱ぎ、ウィッグを取り、ヒゲまで取ってしまった。

フィナーレがあるのを忘れてた・・・・・・。

フィナーレでは次元で出る予定なので仕方なくもう一度ヒゲを付け直す。今取ったヒゲは少し湿っているのでくっつきが悪い。予備の新品を使うことにした。新品は新品で馴染みが悪い。

トリである「28.JAZZ-05」が始まる前くらいには舞台裾で待機。舞台裾から「JAZZ05」を眺めているこの光景はいつも変わらない。いつの発表会だってこれだけは変わらないのだ。でもまだ、「本番」前の雰囲気がある。

そしてJAZZ-05が終わり、フィナーレの始まりだ。クラス紹介、JAZZの時はどういったリアクションをするか、TAPの時は拳銃をどのタイミングで回すか?そんなことばかりを考えていたのだが、ゲネプロではクラス紹介まではしなかったのである。思わぬ肩透かしになった。これこそぶっつけ本番になってしまったが、まぁ仕方ない。こんなことを考えているのは私だけだろうな、と多少可笑しかったが。

一山越えて、ちょっとした満足感とともにドヤドヤと控室に戻る。次元のコスを初めて見た人もいるので地味に視線が突き刺さる。こんな人もいるんだよ~~ッて感じだが、相変わらず「衣装とコンセプトの突き抜け具合」だけならスタジオでもトップクラスであるという自負はある(笑)。

ついに「本番」が始まる。
それは怒涛の嵐のように。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です