ルパン対複製人間 何度目?(笑)

金曜日に放送していた「ルパン対複製人間」ご覧になりました?
TAPから慌てて帰って観ておりました。これで何回目かな。相変わらずバッッサリとカットされてましたけどねぇぇwwwwwww。
小さな演出と名台詞の数々が何度見ても聴いても面白いんですよ。
  
  

劇場版ルパン三世第一作目「ルパン対複製人間」通称「マモー編」。「カリオストロの城」以降では見られなくなった、もっとも原作テイスト溢れるルパンであり、かつもっともルパンの本質を描いた作品であり、ルパン劇場版の最高傑作であります。人気を博した第二作目の「カリオストロの城」いわゆるハヤオのルパンは、「不朽の名作アニメ」には間違いありません。ルパンという作品で見ると、ルパンが非常に大衆的なのです。明るく、正義感が強く、あくまでも優しいルパン。初期テレビ作品を含めてルパンの魅力は、ありきたりのヒーロー像を描いていない点が大きい。 IQ300の天才的悪党。徹底した女好き。世界中にアジトを持ち、当然金持ち。コミカルな面も大いに持ちつつ、時には非情な面も見せつける。義賊ですらない、庶民のヒーローである必要などない。一般受けなどしなくてもいい。むしろ、そんなところからかけ離れているからこそ良いのです。

「マモー編」では「神か、白痴の意識に他ならない!」と自称・神であるマモーを驚愕させた程の特別な存在が好ましい。

中年のうらぶれたルパンを描いたという点ではそれはそれで面白いのですが、クラリスに「はーい、おじさまはここですよ~」と返答する枯れたルパンにはしっくりこないものを感じてしまうこともある。
銭型「ルパンは大変なものを盗んでいきました」

銭型「あなたの心です」

という有名な下りでさえ、陳腐に感じます・・・。

「カリオストロの城」が面白くないってわけではなくて、本来のルパン三世を考えると、つい(笑)。

さてさて、「マモー編」です。シリーズを通してルパンの最大の敵であるマモー。一万年の時を生き、だれよりも神に近づいた男。表向きの顔はハワード・ロックウッドという名を持ち、国家に匹敵する資産を持っています。当初はルパンを一介のコソ泥程度にしか考えておらず、のちにルパンを装置にかけて、頭の中を覗いた時に驚愕します。

彼の意識・・・・深層意識が「空白」で、それが「神か、あるいは白痴の意識に他ならない!」と知った時、マモーはルパンに対しての認識を変えます。ルパンの意識は、虚無であり空白。それは神か白痴のものだという。明らかに、普通の人間とは違っている。

マモー「何と言うことだ!ルパンは”夢”を見ない!空間!虚無!それは白痴の、あるいは神の意識に他ならない!」

「宇宙の気を受けた」時より齢一万年を超え、知識、技術、美術etc・・・あらゆるものを手にしてきたにも関わらず、自ら神を称するもどこか神に一歩届かないことをうすうす感じているマモー。そんな彼が、生まれながらにして「神に近い(精神を持つ)」存在であるルパンに思わず嫉妬したのではないかと思います。反射的にこのまま装置にかけたルパンを殺そうとすることがその証拠ではないでしょうか。

有名すぎる話ですがテレビでは「白痴」という言葉はカットされています。しかも、ルパンの頭を覗いた時に映し出されるモニターの画面も真っ白に加工されています。(おっぱいのコラージュなど、ルパンのエロさばかりの表層意識のクローズアップwww)。なので、ここの一連の流れは事情を知らない人だと「?」となると思いますね。「マモー編」は尺の関係ではなく、放送の関係であちこちかなりブツ切りになってます。「標本の胎児」もカットされてたましたので、マモーのクローン研究云々の流れもよくわからないかと。

最終対決の場面、ルパンはレーザーで何度攻撃されても諦めない。そんなルパンに、
マモーは「君は死を恐れないのだね」と。

この言葉の裏には誰よりも死を恐れるマモーがいます。神に近い意識を持ち、死をものともしないルパン。ルパンにおいても、マモーによって彼のアイデンティティが揺るがされています。マモーはクローンのルパンを作り、それを公的に処刑することで「おれはオリジナルのルパンか?」という揺らぎを与えています。ルパンにとって最大の敵であったマモーだが、マモーにとってもルパンは最大の敵だったわけです。
マモーは、自分が「神である事」を揺るがすルパンを許す事ができません。ルパンは自分が「ルパン三世である事」を否定するマモーと対決せずにはおれません。クライマックスの決着は、常識を越えた二人の人間がそれぞれの自分の存在証明を希求すればこその必然だったのではないかと。

マモーはルパンの反撃を受け、最後の最後で脱出のためにオリジナルの肉体をルパンの前に表出せざるを得ない状況に陥ります。
「やっと信じてくれたね・・・・」とつぶやきます。
ルパン自身はマモーをただの「詐欺師」としか合理的に解釈しておらず、目の前のオリジナルの姿・・・・まさに荒唐無稽を目にしてようやく信じる・・・以外にない状況に。マモーのオリジナルの肉体は内緒です。


↑燃え尽きようとしているのは、実はオリジナルのコピー。

しかし、ついにその最大の敵・ルパンの手によって、マモーは一万年の命が終わる時がきます。マモーは、その時どう感じていたのでしょうか。
ルパン「感謝しな、マモー。やっと死ねたんだ」
という台詞に、ルパンの死生観が現れているようで面白いですね。

ルパン三世がルパン三世であるために最強の敵と対峙するルパン。
エンディングテーマ「ルパン音頭@三波春夫」の歌詞にもありますように「♪お~れ~はル~パンだ~ぞ~」ということですね。

シンプルで原作の雰囲気を損なわず、それでいてキャラクターの個性が際立っている「マモー編」はやはり最高傑作だと思います。ちょっと前衛的なところがあるので万人受けはしないでしょうけど。

ちなみに、マモーの声を演じたのは西村晃。二代目黄門様ですね。ものすごく上手いです。

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